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桜井よしこ氏、もういらない。

 少し前であるが、7月12日の産経新聞に桜井よしこ氏の「野田首相に申す」というコラムが載った。彼女は、保守派に分類される評論家で彼女の言論には、賛同するところが多かったが、読んでみて驚嘆した。尖閣諸島と集団的自衛権、TPP、増税、エネルギー政策について書いているが、TPPと増税がとんでもない内容だ。
まずは、TPPについては次のように記している。
もう一つの課題は、環太平洋戦路的経済連携協定(TPP)への参加である。TPPは経済の枠組みを超えた根源的な次元に立つ戦略である。それは日本が依拠してきた価値観、多くの国々が多少の留保はあっても基本的に公正だと認めてきた価値観を担保し、諸国の閉鎖性を緩やかに解き、国を開いていく力となる。
 彼女は、TPPに賛成のようだが、この抽象的な文章は何だろう。何を言っているのかよくわからない。TPPは、「日本が依拠してきた価値観を担保する」というがとんでもない。TPPは、日本の伝統を破壊し国のあり方を変えてしまう。彼女は、TPPについて何もわかっていないようだ。わかっていない人は、上記のような抽象的な文章でごまかすのが恒である。
 次は、今回の増税である。これについては、次のように述べている。
国家にとって経済基盤の安定と強化はまさに生命線である。日本の膨大な財政赤字を考えれば消費税増税の首相の決断を評価する。小沢氏らの離党の直接のきっかけとなったこの増税は、良識ある人々なら誰もが必要だと考えていることの一つである。1000兆円規模の財政赤字は若い世代にツケとして回される。若ければ若いほど負担は大きい。とりわけこれから生まれる子供たち、〈将来世代〉がその一生で引き受けなければならない純負担は一人当たり1億500万円に上る。
 この数字は内開府の経済社会総合研究所の分析結果だ。生まれながらに億単位の借金を子供や孫ら未来の日本人に背負わせるような財政状況では日本の繁栄など到底覚束ない。第一、将来世代の子供たちが気の毒だ。増税はどの時代においても不人気だ。ボピュリズムに堕ちた政治家には到底、言い出せない増税を首相は兎にも角にも決断した。

 これは、巷の間違った俗論を述べただけだ。いつまでもこんな俗論にしがみ付いている評論家はいらない。「この増税は、良識ある人々なら誰もが必要だと考えていることの一つである。」とは、とんでもない。彼女がそう思っているだけだ。増税すれば、財政赤字が解消すると考えているようだが、日本は、デフレであり、デフレのときに増税すれば、税収はかえって減少する。
「純負担は一人当たり1億500万円に上る。」は、過去産経新聞などがよくこういう表現をしていた。1000兆円は、国民が借金しているのではない。政府が借金しているのである。国民は、政府に金を貸しているのだ。
増税で財政再建など絶対にできない。対策は、まず、デフレを脱却して経済を成長路線に乗せることである。そうすれば、名目GDPが増え税収が増え、政府の負債の比率が低下していく。日本は、ほゞ20年間、GDPが増えていない。世界中で日本だけである。
 今、政府がやらねばならないことは、デフレを脱却しGDPを成長路線に乗せることである。桜井よしこ氏のような評論家はいらない。

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